3カ月で20億PV、コロナ禍に中国で無料公開された「オンライン教材」の中身

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今年初め中国で新型コロナウイルスの流行が始まった。中国政府は1月23日に湖北省武漢市でロックダウン(都市封鎖)し、それからまもなく1月29日、全国一斉にすべての学校を休校にした。

しかし、「授業を止めても学びは止めない」とのスローガンの下、対面授業に替わってパソコンなどを使って自宅で学べるオンライン授業を発表。各学校ではオンライン授業の体制づくりが始まった。

その一方で、教育や言語を管轄する中国教育部が自習用のオンラインコンテンツを集めたプラットフォームを開設し、全国に無償提供した。小学校から高校までの計2万4000もの授業を集めたコンテンツ集で、中国語、数学などの一般教科のほか、防疫教育、生命安全教育など9つのジャンルがある。数の多さだけでなく内容も豊富なことから、PV数は公開後3カ月足らずで20億を超えたという。一体、どんな教材なのだろうか。

中国の無料オンライン教材 防疫教育も

オンライン教材を包括するクラウドネットワークのプラットフォームが、教育部によって公開されたのは今年2月のことだ。「国家中小学網絡雲平台」という名前で、小学生から高校生まで学生は、全国どこからでも無料で利用できる。授業ではなく、課外に自習用として使われているものだ。

プラットフォームの運用にあたっては、中国産業情報技術部やラジオ放送国家管理局が協力し、教育専門チャンネルの「中国教育テレビ」(CETV4)はコンテンツに沿った内容の授業を毎週月曜日から金曜日までの午前と午後に生放送で放映した。

コンテンツは、語文(中国語)、英語、歴史、地理、生物などの課程学習のほか、「防疫教育」、「品徳教育」、「生命安全教育」など9つのジャンルに分かれている。課程学習は小学1年から高校3年まで学年ごとに履修すべき科目が並べられている。使用している教材は語文、政治、歴史は国家統一編集された教科書を使い、その他の科目はこれまで全国で採用数が比較的多かったものを使用している。

教材は自由にダウンロードして学習できる。試しに、小学1年生の語文の教科書をダウンロードしてみた。文字と共に可愛いイラストが描かれていて、画面が美しく親しみやすい。

品徳教育は、論語など中国伝統文化や社会主義思想を学ぶ中国独特の科目だ。生命安全は、自然災害や交通事故、ネット上のトラブルなど日常の中の事故からの対処方法を学ぶ。

新型コロナ感染が続いている中、防疫教育のコンテンツも用意されていた。マスクや手洗いなど感染予防の常識と一般知識、学校・家庭・公共交通機関などさまざまな場所における感染の予防方法や消毒方法が紹介されている。

このオンライン教材は常に更新が続けられている。

中国教育部によると、プラットフォームのPV数は、2月17日~5月11日までの3カ月足らずで20億7300万PVに達したという。

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